NVRにおけるHDDの故障について
お役立ち —
データを保存するためには、比較的低価格で大容量なHDDが多く用いられます。
ところがHDDはコンピューター系のパーツの中でも故障率が(相対的に)高いうえ、
役割上、故障した際には大事なデータが失われてしまうという側面も持っています。
NVRを扱う上で、どういった場合にHDDが故障しやすいか、故障に備えて何ができるかをご紹介します。
故障のタイプ
まずは故障のタイプについて、大きく2種類に分けられます。
論理障害は「保存されたデータの一部分がおかしくなっている」状態で、そのファイルが使えなくなったりシステム全体の調子が悪くなったりします。
物理障害は「パーツ故障でデータの読み書きが正しく行えない」状態です。
故障の原因
一般論
論理障害はデータが正常に書き込めなかったことによるもので、
停電などで書き込みが正常に完了できなかった場合などに発生する可能性があります。
データのおかしい部分さえなければ正常なHDDなので、
NVRでは再フォーマットをかけてデータ全消去するかわりに録画機能を復活させることが多いです。
物理障害はパーツ故障のことです。といってもすぐにデータの読み書きができなくなるわけではなく、故障からしばらくの間は頑張ってくれることのほうが多いです。
パーツが故障する要因として、一般的に言われるところでは
「HDDやNVRを落とした、ぶつけた (振動)」
「ホコリが溜まっている、排熱しにくい環境で使っている (熱)」
「飲み物をこぼした、落雷があった (電子回路の損傷)」
などが挙げられます。
NVRでは
その他気づきにくいところとして、「多数のHDDを使っているほど故障しやすくなる」というものがあります。
HDDはディスクを回転させてデータを読み書きする仕組みなので、外部から振動を与えなくても自分で振動や熱を発生させます。
もちろん自身が出す振動には耐えられる設計にはなっていますが、複数のHDDを使っているとお互いに振動・熱の影響を及ぼします。
そのため、HDDのメーカーやモデルによっては「単体使用のみ」「6本までの連携」などの制限が仕様に書いてある場合もあります。
また、「HDDを多く使う」ことは「壊れやすいパーツを増やしている」ということでもあります。
上記の振動の話を抜きにしても、HDDをより多く搭載しているほうが「NVR1台で故障が発生する可能性」は高くなります。
イメージしにくい場合は、例えば不良品1%を1回抽選するか20回抽選するか、と考えると分かりやすいと思います。
ちなみに大容量HDDに変えて搭載本数を減らした場合、HDD1本あたりの内部パーツも容量の分だけ増えますので、お値段が張る割に大した違いにはなりません。
対策等
まずは「できる限り故障要因を取り除く」ことを意識します。
上記の例から挙げると、NVRを安定した場所にしっかりと固定する、定期的に掃除を行う、水分を遠ざける、UPSで停電・落雷から保護する、などになります。
とはいえ、正しく運用していても壊れやすいのがHDDです。
そのことを念頭に置いて頂いた上で、RAIDやホットスペア、さらに定期的なバックアップなど設定しておくと、もしもの際にも被害を最小限に食い止めることができます。
最後までご覧いただきありがとうございました。
ご参考になりましたら幸いです。