高画質録画とストレージについて
NVRの知識 —
せっかく監視カメラシステムを導入するなら「映像はとにかく綺麗に高画質で録画したい」と考える方も多いと思いますが、少し待ってください。高画質での録画はとても綺麗な映像ですが、デメリットもあります。
それは、保存に必要なストレージの容量が多くなることです。監視カメラを録画する「ネットワークビデオレコーダー(NVR)」のメーカーであるシステム・ケイが、高画質録画の落とし穴を赤裸々にお伝えします。是非HDDなどの搭載ストレージ検討の参考にしてください。
目次
高画質映像とは
ネットワークカメラの映像の品質は主に「解像度」と「フレームレート」によって決まります。
【解像度】
解像度は、どれくらいの画素数で画面が構成されているかを指しています。
下記画像の1ドットを1画素と考えてください。
↑NVRのロゴを64×32で表示したもの。
例えば、Full HDと呼ばれる解像度は、横1920画素、縦1080画素で、1920×1080=2073600 2,073,600(約200万)画素を集合して映像を見せています。最近テレビなどでよく聞く4K(3840×2160)というのも解像度の種類のひとつです。
解像度の数字が大きければ大きいほど、細かい映像の撮影が可能となります。
解像度について詳しい説明はこちら↓
「カメラの解像度の違いで、録画サイズにどれくらいの差がでるの!?」
【フレームレート】
「フレームレート」は、1秒間の動画で見せる静止画の枚数(コマ数)です。単位は、「FPS」(frames per second)で、「コマ/秒」を表します。
動画はパラパラ漫画のようなものですので、1秒間のコマ数が多いほど、つまり、フレームレートが高いほど、なめらかな映像の撮影が可能となります。ちなみに、私達が普段見ている、テレビのフレームレートは30FPSです。
フレームレートについて詳しい説明はこちら↓
「フレームレート(FPS)って何?どのくらいの値にすればいいの?」
つまり、高解像度・高フレームレートで撮影した映像は、細部まで見えて動きがなめらかな高画質な映像に見えます。
解像度・フレームレートと必要ストレージ容量
それでは解像度・フレームレートと必要なストレージ容量を比べて行きます。
今回はNVRサイト内の「録画保存日数計算」を使って比較していきましょう。
解像度と必要ストレージ容量
まずは解像度の比較から。
例えばカメラ1台に対して、1TBのHDDを用意し、200万画素で録画をすると、保存期間は約18日間です。
※フレームレート10FPS、24時間録画、圧縮方式H.264の場合
次に解像度だけを100万画素に変更します。すると…
なんと約41日間の録画が可能となりました。
解像度を約半分にすると、約2倍の録画が可能となりました。
フレームレートと必要ストレージ容量
次にフレームレートと必要ストレージ容量を比較していきます。
例えばカメラ1台に対して、1TBのHDDを用意し、30FPSで録画をすると、保存期間は約6日間です。
※解像度200万画素、24時間録画、圧縮方式H.264の場合
次にフレームレートだけを10FPSに変更します。すると…
なんと約18日間の録画が可能となりました。
フレームレートを約3分の1にすると、約3倍の録画が可能となりました。
監視カメラにおすすめ 解像度、フレームレート
以上のことから高解像度・高フレームレートな高画質な映像を撮影すると、ストレージがたくさん必要になることがわかります。
録画のためにたくさんのストレージを用意すると、それだけネットワークビデオレコーダーの価格が高くなってしまいます。また多くのネットワークビデオレコーダーなどにはHDD上限があります。あまりにも高画質すぎると必要な日数が録画できない…なんてことも。
※カメラ台数も多く、HDD容量が足りなくてお悩みの方におすすめNVRもあります。
NVR-Pro
そのためネットワークビデオレコーダーでの録画は「とにかく綺麗に」ではなくて、実際にお使いのディスプレイで確認してみて、検討中の解像度・フレームレートが本当に必要なのかなど、用途と予算に合わせた選択をお勧めします。
ちなみに監視目的で利用されることが多い、一般的な解像度やフレームレートは、
「解像度:100万画素(1280×720)、フレームレート:5FPS」で、この解像度とフレームレートであれば、防犯目的での利用は一般的には十分に可能と考えます。(ただし用途によって、更に高解像度・高フレームレートが必要な場合もあります)
もちろん撮影対象や、環境にもよるので迷ったときは、ぜひシステム・ケイに相談してくださいね!
まとめ
- ・ネットワークカメラの映像品質は「解像度」と「フレームレート」で決まる
- ・解像度が倍になると、録画に必要なストレージも倍に!
- ・フレームレートが倍になると、録画に必要なストレージも倍に!
- ・多くのHDDを搭載したNVRは高価
- ・シーンや用途に合わせて適切な解像度とフレームレートで録画しよう