NVRのDHCPサーバー機能とは?
NVRの知識 —
こんにちは!
ネットワーク監視カメラとAI画像認識システムのシステム・ケイです。
今回は、NVR(ネットワークビデオレコーダー)の「DHCPサーバー」機能についてご紹介いたします!
目次
DHCPサーバー機能とは?
DHCPとは、「Dynamic Host Configuration Protocol(ダイナミック ホスト コンフィギュレーション プロトコル)」の略で、ネットワーク機器1台1台にIPアドレスなどの通信に必要な情報を自動で割り当てる仕組みのことです。
使用するネットワーク機器の台数が増えるほど、手動で設定を行うのは手間と時間がかかりますが、これを全て自動でやってくれる便利な機能です。
DHCPサーバーとは、DHCPの機能を持ったサーバーのことです。
このDHCPサーバーの役割をNVRが担ってくれるというわけです。
IPアドレスとは、ネットワーク機器を判別するための番号です。
受信した情報がどの機器から送られたものなのかは、IPアドレスを使って識別しています。
ネットワーク機器同士が通信を行うときは、必ずこのIPアドレスの情報が必要となります。
DHCPサーバー機能の基礎知識
カメラシステムは常に大きなデータを扱い通信を行っているため、社内ネットワークにカメラシステムを参加させるよりも、NVRやカメラなどカメラシステムのみで構築された独立したネットワーク(ローカル環境)で運用した方が帯域を圧迫せずに安定した通信を行えます。
DHCPサーバー機能は、そのようなローカル環境で使用するのが望ましい機能です。
また、2台以上のDHCPサーバーが同一ネットワーク内に存在するとIPアドレスが重複して割り当てられてしまうため、DHCPサーバーは同一ネットワーク内に1つまでしか存在できません。
そのため、ネットワーク内に他のDHCPサーバーが存在している場合は、NVRのDHCPサーバー機能を使用することはできないので注意が必要です。
DHCPサーバー機能がOFFの場合
ここからは図を用いて解説していきます。
DHCPサーバー機能がOFFになっている場合、各カメラにはIPアドレスが割り当てられないため、カメラはメーカーによって決められた固定IPアドレスを持つようになります。
しかし、同じメーカーのカメラを2台接続しても、それぞれが同じ固定IPアドレスとなるため、IPアドレスが重複してしまい上手く接続を行うことができません。
そのため、カメラの初期設定で、カメラ側のIPアドレスをNVRに合わせて ”192.168.101.○○” とする必要があります。
AXIS製品は初期IPアドレスが192.168.0.90で設定されているので、手動でIPアドレスを変更しないとNVRに登録を行うことはできません。
IPアドレス等の設定にお困りの方はぜひチェックしてください。
ネットワークカメラの初期情報(IPアドレス、ユーザーID、パスワードなど)
DHCPサーバー機能がONの場合
では、DHCPサーバー機能がONの場合はどうなるのでしょうか。
NVRがDHCPサーバーの役割を果たすので、接続された機器に対して自動でIPアドレスが割り当てられています。
手動でIPアドレス等の面倒な設定をしなくても、簡単にNVRにカメラを登録することができました!
PoEとは、LANケーブルを使って電力を供給する技術のことです。
これにより、本来LANケーブルとは別に必要な電源ケーブルが不要になります。
詳しくは以下の記事をご覧ください!
PoEとはなにか?PoEの簡単な仕組みとメリット
DHCPサーバー機能が備わったおすすめNVR
NVR-0802PR MkⅡ / NVR-1602PR MkⅡ
8台(120W)/16台(200W)のネットワークカメラを接続できる、多機能NVRです。
HDMI/VGAでのモニタ接続に対応しており、カメラシステムの運用にPCを必要としません。
モニターさえあれば、ライブモニタリングや録画再生、各種設定などを行うことができます。
最大24TBの大容量HDDに加え、4KカメラやH.264にも対応しており、スペック面も申し分ないものとなっております。
これらにはリンクローカルアドレスという機能があり、NVR自身が判断してネットワーク上で空いているIPアドレスを自動で割り当てます(NVRのDHCPサーバー設定をONにした場合は、決められた範囲内でIPアドレスを自動で割り当てます)。
NVRのDHCPサーバー設定については、下記のページを参考にしてください。
NVR-0802PRMkⅡ/NVR-1602PRMkⅡのDHCPサーバー機能の有効化についてはこちら
DHCPサーバー機能における現行NVRと旧NVRの違い
現行NVR(NVR-mini、NVR-0802PR/0802PR MkⅡ、NVR-1602PR/1602PR MkⅡ)と旧NVR(NVR-204MkⅡなど)のDHCPサーバー機能の違いについて説明します。
結論から言うと、現行NVRの方がより設定が楽になりました。その理由を説明します。
旧NVRの場合、カメラの電源が落ちて再接続すると、前回とは異なるIPアドレスが自動で割り当てられてしまい、手動でIPアドレスを設定し直さないとカメラ映像が見られなくなる問題がありました。
現行NVRでは、NVRまたはカメラ側の差込口のLANケーブルを変えて繋ぎなおした場合でも、IPアドレスは変わらずに割り当ててくれるので、手動で設定し直す手間がなくカメラ映像を見ることができます。
・NVRのDHCPサーバー機能ON、PoEポートを使用し、カメラ側のLANケーブルが抜けて再接続した場合
※NVR側のLANケーブルが抜けてPoEポート1番から2番へ差し込み直した場合も、カメラのIPアドレスは変わりません。
よくあるご質問-DHCPサーバー機能の有効化について
現行NVRの注意点
現行NVRの注意点として、NVRのPoEポートを使用せずにPoEハブを中継器として接続した場合は、DHCPサーバー機能をONにした状態でも動かないため、IPアドレスも割り当てられませんのでご注意ください。
まとめ
- DHCPとは、ネットワーク機器にIPアドレスなど必要な情報を自動で割り当てる仕組みのこと
- DHCPサーバー機能を使用すると、NVRへのカメラ登録が簡単になる
- 多機能で便利なNVRを駆使して、カメラシステムを構築しよう
最後までお読みいただきありがとうございました。
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