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HDDの取り付けは適した工具(ドライバー)で

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HDDの取り付けは適した工具(ドライバー)で

HDDは構造上壊れやすいものであるため、
NVRを運用していてHDD故障に遭遇することは、そう珍しいことではありません。
そのため、お客様ご自身でHDDを交換されるケースも数多く存在します。

そのような際、是非気をつけてみていただきたい点をご紹介いたします。

ネジ

まずは取り付けに使うネジについて。

HDDとSSDでは、使えるネジが異なります。
写真の銀色のほうがHDD用、黒色がSSD用のネジです。
主軸の太さや長さは変わりませんが、ネジ部(ギザギザ)の間隔と高さが異なっています。
どうもHDDではインチネジ(幅広)、SSDではミリネジ(幅狭)を使うことになっているようです。

合わないネジだとスカスカで固定できない、あるいは逆にきつく締まりすぎて取れない、といったことが起こりますが、
基本的には付属品を、それもHDD交換であれば今まで使っていたものを使い回すことになると思いますので、間違いが起こることは少ないと思います。

ちなみに『ネジ頭の十字』は「駆動部」と呼ばれるそうで、十字が潰れてネジを回せなくなった状態を
「ネジ山が潰れた」「ネジ穴がなめた」などと呼ぶのは誤りだそうです。
「ネジ山」は『螺旋状の部分』のことで、基本的に損傷は出ません。
「ネジ穴」といえば『雌ねじ』あるいは『木ネジを抜いた後の穴』などを指すのが一般的と思われます。ゴミや穴埋め補強材が詰まれば、「穴が潰れ」ることはありますね。

「駆動部」という表現もさしてしっくりとは来ませんが、他にいい表現もないので以降は『ネジ頭の十字』を「(ネジ)駆動部」と呼んでいきます。

ドライバー

今回の主役です。
PC関係だとデバイスドライバーと紛らわしく、
英語表現にならってスクリュードライバーと呼ぶとカクテルが連想される不憫な子です。
(カクテル名の由来が「工具のドライバーで混ぜたから」らしいので、元までたどれば間違ってはいないのですが…)
正確に伝えたい場合は「プラスドライバー」などと形状を指定するか、「ねじ回し」と呼んであげてください。

とりあえず手元にあったドライバーを並べてみました。
左3つはすべてプラスドライバーですが、よく見ると一番左の先端が少し太く、中央2つは先端が比較的鋭くなっています。
一番左のものは2番と呼ばれるサイズのプラスドライバーです。この2番サイズに対応するネジが一番よく使われるようです。

プラスドライバーの番手は他にもNo.2, #2, +2, Ph2, H2等と多数の書き方がありますが、以降は一番検索性が良さそうなPh表記で統一します。

中央2つはPh1のサイズで、少し小さいネジを対象にしたドライバーです。
こちらのほうが使用頻度は低めらしいのですが、なぜか筆者の身の回りにはPh1ドライバーのほうが多いです。

一番右は友情出演のトルクスドライバーです。先端が平たく、刃先の部分が六角の星型になっています。
監視カメラのカバーなどのネジを外す際はこちらを使います。

今回はHDD取付に使うプラスドライバーの話で、なおかつ中央2つは同じ形状なので、
以降は左2本に注目します。

HDDネジには

先程プラスドライバーには先端サイズに違いがあり、対象ネジが違うと書きました。
ではHDD取り付け用ネジはというと、(画像ではわかりにくいですが)ネジ駆動部の十字の交点が平らになっているため、Ph2のドライバーがフィットします。

ちなみにSSD用のネジも同様にPh2が最適です。
ネジ山部分の規格は違いましたが、ネジ頭の構造は同じになっています。

それでは、ネジにドライバーを合わせた写真を見てみましょう。

Ph1

Ph1のドライバーでは刃の部分が細長いため、ネジ駆動部に密着できていません。
刃先のマグネットでなんとかくっついてはいますが、指で触るとグラグラします。

このまま取付を行うとネジ駆動部がなめてしまい、それ以上締めることも緩めることもできなくなってしまうことがあります。
緩められない (HDDを外せない) のはもちろん不便ですし、
中途半端なところで締められなくなった場合はHDDが正常に固定できず、さらなる故障の原因となります。

ネジ駆動部がなめないように押し付ける力を強くすると、
今度はHDD本体などに余分な負荷がかかってしまい、これまた故障の原因になってしまいます。

Ph2

一方Ph2のドライバーは見るからにピッタリとネジにくっついており、
触ってもしっかりネジ駆動部と噛み合ってグラつきません。
撮影に使ったVESSEL 220 P.2×100は刃先がマグネットになってはいますが、
適切な組み合わせであればマグネットなしでもしっかりと噛み合います。

ただ、しっかりフィットして力を入れやすいからといって締めすぎは禁物です。
HDD取り付け部分(NVR筐体やHDDトレイ)が歪んでしまっては固定した意味がなくなってしまいます。

HDD取付におすすめなのは、

  • 最初は力を入れず、クルクルと回すだけ。進みにくくなったら次へ
  • ネジを押し付ける方向に少し力を入れ、抵抗感に当たるまで弱い力で回す(1/4~半回転くらい)

です。
取付先の材質(金属・プラスチックetc.)などによっても変わりますので、実際にはネジの締まり具合を見ながら力加減を調整してください。

最後に

以上のように、ネジに合わないドライバーを使うのはデメリットが多いです。
もし適したものが手元になさそうであれば、この機会に購入をお勧めします。

撮影に使ったもので1本400円程度なので負担にはなりにくいですし、
NVR本体などのネジも同じサイズなので、定期メンテナンスも楽になって寿命もさらにアップです!

以上、HDD用のネジとドライバーについてのお話でした。
記事を最後までご覧いただきありがとうございました。

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