フレームレート(FPS)による動画の見え方の違いは?
NVRの知識 —
こんにちは!
ネットワーク監視カメラとAI画像認識システムのシステム・ケイです。
動画撮影における設定項目のひとつ、「フレームレート(FPS)」。
基本的に高い方がいいと思ってしまいがちですが、それぞれメリットデメリットが存在し、特に監視カメラにおいては撮影の目的に合わせてよく考えて設定しなければなりません。
今回の記事では、フレームレートの基本的な知識の紹介に加えて、実際に動画を見比べてフレームレートによる見え方の違いを体感していただきます。
監視カメラなどのフレームレート設定の参考になれば幸いです。
目次
そもそも、フレームレートって何?
動画は、静止画を連続して映すことで成り立っています。
フレームレートは、その動画が「一秒あたり何枚の静止画を映しているか」を表しています。
60fpsなら、1秒間に60枚の静止画が映されています。
このフレームレートが高いと動画がなめらかに動いて見え、低いとカクカクした見え方になります。
(後ほど、実際の動画をお見せします。)
フレームレートが高いことによるデメリット
フレームレートが高くなるほど、動画のデータ量が大きくなります。
5fpsと30fpsでは、静止画の数は6倍ですから、理論上はデータ量もそのまま6倍になると考えられます。
普通の動画ならそれでも大丈夫かもしれませんが、長時間の撮影を高いフレームレートで行うと、そのデータ量は膨大なものになり、HDDなどの記憶装置の容量を圧迫することに繋がります。
特に監視カメラは24時間撮影を行うことが多く、ただでさえデータ容量が大きくなります。
また、事件や事故が起きた際に後から見返すため、十分な保存期間を設けることも重要です。
必要以上に高いフレームレートで撮影をするとすぐに記憶装置がデータでいっぱいになり、削除しなければ録画を続けられなくなります。これでは、監視カメラの意味がありません。
つまり、監視カメラでは撮影の目的に合わせてフレームレートを抑える必要があります。
実際にフレームレートの違いを見てみよう!
今回は2fps・5fps・10fps・29fpsの動画を用意しました。
全然違いますよね。
では、これらはそれぞれどんな目的に適した設定なのでしょうか?
まずは簡単に表にまとめてみました。
2fps(画面左上) | 5fps(画面右上) |
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10fps(画面左下) | 29fps(画面右下) |
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2fps(画面左上)
1コマの感覚が長いので人が瞬間移動しているように見えますね。
これでは細かい動きの確認ができず、防犯目的には不向きです。
しかし、在室確認や、駐車場の混雑状況確認など、”人や物の有無”の判断は行えます。
また、フレームレートによるデータ量が小さい分、静止画1枚1枚の解像度を上げる余裕がありそうです。
静止画の画質が良くなれば、静止画から文字などの確認も行えるようになります。
細かい動きの確認が必要ない場合や、静止画をしっかり確認したい場合に有効な設定と言えるでしょう。
目的例:駐車場の車の有無と、駐車した車のナンバープレートをAIで識別
5fps(画面右上)
少しカクつきを感じますが、これなら防犯目的に利用できます。
防犯カメラのフレームレートは視認性の面から最低でも4fps以上は必要だとされています。
容量の小ささ、動画の滑らかさを両立したバランスの良い設定と言えます。
防犯目的での24時間監視や、高解像度での撮影に向いています。
長時間の監視が必要な場合や、動作と静止画のどちらも確認したい場合におすすめの設定です。
目的例:コンビニやスーパーの店内に設置する防犯カメラで万引きを防止
10fps(画面左下)
なめらかです。動きが速いものや、細かい動作を確認することが可能です。
防犯目的だと、7fps以上あれば人の行動や車の経路などの撮り逃しがないと言われています。
また、AIを使って暴力や転倒など人の動作を検出することができます。
どんな目的にも万能に撮影を行えますが、データ容量には注意が必要です。
目的例:高速道路での車の監視、工場でのライン作業の監視、など
29fps(画面右下)
テレビの地上デジタル放送(29.97fps)と同じくらいの数値です。
とてもなめらかですが、録画に必要なデータ容量は大きくなります。
イベントの期間中など、録画撮影が短期間で済む場合はフレームレートを高くしても問題ないでしょう。
また、対象物が高速で動いている場合や、撮影範囲が狭くて対象物がすぐにフレームアウトしてしまうような場合はこのような高いフレームレートが求められます。
基本的に、監視カメラではこれ以上のフレームレートが必要になる状況はほとんどありません。
スマホやデジカメでの動画撮影は30fpsが多く、この設定で24時間撮影するといかにデータ量が大きくなるかはイメージがしやすいと思います。
高フレームレートを維持したままデータ量を小さくするには?
ここまでで、高いフレームレートには容量圧迫のデメリットがあることや、低いフレームレートが適する場面もあることがお分かりいただけたかと思います。
とはいえ、なるべくなめらかな映像を撮影したいですよね。
実は、高フレームレートを維持したままデータ量を小さくする方法があります。
データ圧縮技術を使う
データの実質的な情報を保ったまま、データ量を減らす技術です。
ネットワークカメラ用の映像データ圧縮システムなら、撮影中リアルタイムで高画質のままデータ量を約1/5〜1/20まで圧縮することができます。
映像圧縮技術とは?特徴とメリットについて紹介!
動体検知(モーション検知)機能を使う
映像に映っている人間や車、設備などに動きがあったことを検知する機能です。
これにより、動きがあったときだけ自動で録画を開始し、動きがなくなったら自動で録画を終了することができます。
結果として録画時間を抑え、データ量を減らすことができます。
カメラの利用目的に合わせた適切な設定を!
映像の質と容量のバランスが取れた設定がしたい、そんなあなたに!
なんと、録画条件を選択すると録画保存日数の目安が自動計算されるページをご用意しました!
ぜひ、お使いの監視カメラの設定に役立ててくださいね。
また、システム・ケイではネットワーク監視カメラでの録画保存に最適な、NVR(ネットワークビデオレコーダー)も取り扱っております。ぜひ、こちらもチェックしてください!
お使いの環境やカメラの利用目的と照らし合わせ、適切な設定で運用していきたいですね!
まとめ
- フレームレートが高いと、映像がなめらかになるが、データ量が大きくなる
- 低いフレームレートが適している場面もある
- データ圧縮技術を使うなど、高画質のままデータ量を減らす工夫もある
- カメラの使用目的に合わせて適切な設定を行うことが重要
最後までお読みいただきありがとうございました。
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